駅から近くて、眺めもよくて、部屋も明るい。
「ここなら家族で気持ちよく暮らせそう」
そんなふうに思って選んだ高層マンションでも、子どもが成長するにつれて、最初は想像していなかった不安が出てくることがあります。
今回は、高層階の住まいで子育てをする中で、少しずつ不安が大きくなっていった家族の話を漫画とともに紹介します。





最初は「理想の住まい」だと思っていた
引っ越したばかりの頃、その家族にとって高層マンションは理想に近い住まいでした。
駅から近く、買い物にも便利。部屋からの眺めもよく、日当たりも十分。小さな子どもを育てながら暮らすには、便利で快適に見えました。
- 駅や商業施設が近い
- 眺望がよく開放感がある
- 室内が明るい
- 共用設備が整っている
- 子育てにも便利そうに見えた
当時は子どももまだ小さく、窓やベランダに強い興味を持つこともありませんでした。
そのため、夫婦も「この景色を見ながら子育てできるなら楽しそう」と感じていたのです。
子どもの成長で、不安の見え方が変わった
ところが、子どもが少しずつ歩き回るようになると、家の中で気になる場面が増えていきました。
椅子を動かしたり、窓の近くへ行ったり、ベランダの方を気にしたり。
大人にとってはただの景色でも、子どもにとっては「外が見える場所」「登ってみたい場所」に変わることがあります。
- 窓の近くに椅子を運ぶ
- ベランダに出たがる
- 手すりの近くをのぞき込む
- 窓の鍵や網戸を触る
- 踏み台になる物に乗ろうとする
もちろん、親が見ていればすぐに止められることもあります。
ただ、子どもの行動は思っているより早く、昨日できなかったことが今日できるようになることもあります。
その変化に気づいた時、今まで魅力だった「高い場所からの眺め」が、少しずつ不安の対象になっていきました。
できる対策はしていた
不安を感じた家族は、すぐにできる対策を始めました。
- 窓に補助錠を付ける
- 窓の近くに椅子や家具を置かない
- ベランダに踏み台になる物を置かない
- 窓やベランダ付近で子どもだけにしない
- 鍵が閉まっているかこまめに確認する
こうした対策をすることで、危険を減らすことはできます。
実際、窓やベランダまわりでは、足場になる物を置かないことや、子どもの手が届きにくい位置に補助錠を付けることが大切です。
ただし、対策をしても、気持ちの不安が完全に消えるとは限りません。
景色よりも心配が先に来るようになった
以前は、リビングから見える景色を見て「気持ちいいね」と話していました。
けれど、子どもが成長するにつれて、窓の外を見るたびに「近くに椅子はないかな」「鍵は閉まっているかな」と確認する時間が増えていきました。
テレビやネットで子どもの転落事故のニュースを見るたびに、他人事とは思えなくなっていきます。
- 子どもの行動範囲が広がった
- 椅子や台を自分で動かせるようになった
- 窓やベランダに興味を持つようになった
- ニュースを見るたびに心配になった
- 毎日の確認が精神的な負担になった
「便利で眺めがいい家」のはずだったのに、気づけば安心してくつろぐ時間より、心配して確認する時間の方が増えていました。
住み替えを考えるようになった
しばらくは対策を続けながら暮らしていました。
けれど、子どもがさらに成長し、家の中を自由に動く時間が増えるにつれて、夫婦の中で「このまま高層階で暮らし続けるべきか」という迷いが大きくなっていきました。
もちろん、住み替えにはお金も手間もかかります。
- 売却や引っ越しに費用がかかる
- 今の家にも愛着がある
- 通勤や生活環境が変わる
- 子どもの生活リズムも変わる
- 本当にそこまでするべきか迷う
それでも夫婦は話し合いを重ねました。
そして、最終的に「景色の良さ」よりも「毎日安心して暮らせること」を優先しようと考えるようになりました。
選んだのは、安心しやすい暮らし
住み替え先は、以前のような高層階ではありませんでした。
眺望の良さは少し控えめになりましたが、窓やベランダを見るたびに緊張することは減りました。
子どもが部屋の中で遊んでいても、以前より気持ちに余裕を持てるようになったといいます。
住まいを選ぶ時、駅近や眺望、資産価値、設備の良さはとても大切です。
ただ、子どもがいる家庭では、今の便利さだけでなく、数年後の子どもの行動まで想像しておくことも重要です。
高層階が悪いという話ではありません。
大切なのは、家族の性格や子どもの年齢、日々の安心感まで含めて、無理なく暮らせる住まいを考えることです。
住まい選びは、今だけでなく、これからの暮らしも含めて考える。
それが、後悔を減らすひとつのポイントかもしれません。
参考:子どもの窓・ベランダからの転落事故を防ぐためには、窓やベランダの手すり付近に足場になる物を置かないこと、補助錠を活用すること、子どもだけで窓やベランダ付近で遊ばせないことなどが大切です。



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