最初は、お菓子や飲み物を少し持って帰る程度。けれど、それがだんだん日用品やいただき物、子どもの物にまで広がっていきました。
「家族なんだからいいでしょ」
その一言で片づけられるたびに、私は何も言えずにモヤモヤを抱えていました。
今回は、義母と義妹が家の物を勝手に持っていくようになり、夫まで味方してくれなかったという体験談風のエピソードです。
まずは漫画で、出来事の流れを見てみましょう。







最初は、小さな違和感だった
義母と義妹は、もともと距離感が近いタイプでした。近くに用事があったから、少し寄っただけ。そんなふうに突然やって来て、リビングでお茶を飲みながら、棚や冷蔵庫を自然にのぞくことがよくありました。
最初は、お菓子をひとつ持って帰るくらいでした。「これ、おいしそう。もらっていい?」そう聞かれると、断るほどのことではない気がして、私は「どうぞ」と答えていました。
でも、回数が増えるにつれて、少しずつ気になるようになっていきました。飲み物、ティッシュ、洗剤、ラップ、ストックしていた調味料。「家族なんだし、いいでしょ」そう言われると、それ以上言い返せませんでした。
夜、夫に「毎回ちょっと気になる」と話したこともあります。けれど夫は、あまり深刻には受け止めてくれませんでした。「そのくらいいいじゃん。家族なんだし」その言葉を聞いて、私は自分が細かすぎるのかもしれないと思うようになりました。
少しずつ、持っていく物が増えていった
ある日、実家から届いたお中元の箱を棚に置いていました。ジュースやお菓子が入った、きれいな箱です。まだ開けたばかりで、家族で少しずつ食べようと思っていました。
ところが、義母はそれを見るなり、うれしそうに「あら、立派なお中元ね」と言いました。義妹も横から箱をのぞき込み、「こういうの、うちじゃ買わないし少しもらおうかな」と笑います。
私は思わず「それ、いただき物で……」と止めようとしました。でも義母は、まったく悪気がないような顔で「家族で分ける方がいいじゃない」と言いました。その場では、それ以上強く言えませんでした。でも心の中では、ずっと引っかかっていました。
お菓子や飲み物だけではなく、贈り物まで当たり前のように持っていこうとする。このまま何も言わなければ、どんどんエスカレートしてしまうのではないか。そう思いながらも、私はまだはっきり止めることができませんでした。
子どもの物にまで手を出された
一番つらかったのは、子どもの物にまで手を出されたことです。ある時、義妹が子ども部屋に入り、買い置きしていたおしりふきを見つけました。「これ、まだ使っていないの?」と聞かれ、私は「はい、予備で買い置きしていて」と答えました。
すると義妹は、まるで自分の家の物を見るような感覚で、「じゃあ、これなんかうちの子にちょうどいいかも」と言いました。その横には、子どもの服や靴、おもちゃもありました。義妹はそれらを手に取りながら、「まだきれいだし、使わないならいいよね」と言いました。
その時、子どもが小さな声で「それ、わたしの……」と言いました。その顔を見た瞬間、胸がぎゅっとなりました。自分の物を持っていかれるのも嫌でした。でも、子どもの物まで「家族だから」という理由で持っていかれるのは、さすがに違うと思いました。
また別の日、決定的な出来事が起きた
そして、また別の日のことです。インターホンが鳴り、玄関に出ると、義母と義妹が立っていました。その日は、義父も一緒でした。義母は「近くまで来たから、ちょっと寄ったの」と言い、義妹も笑顔で「少しだけだから」と続けました。私は迷いましたが、義父も一緒だったこともあり、玄関先で追い返すことはできませんでした。
「いらっしゃいませ。どうぞお上がりください」そう言って家に上げました。けれど、私が少し洗濯物を取り込んで戻ると、リビングのテーブルの上には、家の物がいくつも並べられていました。
お中元の箱、調味料、未開封の日用品、子どもの物。義母と義妹は、それらを袋に詰めようとしていました。私は驚いて声を上げました。「えっ……何してるんですか?」
義母は悪びれた様子もなく、「お歳暮でもらった物なら、家族で分け合えばいいのよ」と言いました。義妹も「これ、使いきれないでしょ? うちで使うから」と言いました。私は初めて、はっきりと止めました。「だめです。勝手に持っていくのはやめてください」
その瞬間、義妹の表情が変わりました。「そんなに怒る? 細かすぎない?」義母もため息をつきながら、「家族なのに、ケチねえ」と言いました。
夫まで味方してくれなかった
私は夫に助けを求めました。「ねえ、これおかしいよね? 勝手に持っていくのは違うよね?」でも夫は、私の方を見て困ったように言いました。「母さんたちに悪気はないし……そのくらいいいんじゃない?」
その言葉を聞いた時、私は一番傷つきました。義母や義妹の行動も嫌でした。でも、それ以上に、夫が私の気持ちを軽く扱ったことがつらかったのです。私だけがおかしいみたい。そう思って、何も言えなくなりそうでした。
見ていた義父が口を開いた
その時、義父が口を開きました。それまで義父は、少し離れた場所で黙って様子を見ていました。でも、私が「だめです。やめてください」と言ったこと。義母と義妹がそれを軽く流したこと。夫が私を守ろうとしなかったこと。その全部を見ていたようでした。
義父は静かに、でもはっきりとした声で言いました。「さっきから見ていたが、今の話は本当か?」義母と義妹は、一瞬黙りました。夫も言葉を失っていました。
義父は続けました。「人の家の物を勝手に持っていくな。家族でも許されん」そして、夫の方を向いて言いました。「お前もだ。妻を守らずに何をしている」その言葉で、リビングの空気が一気に変わりました。
義母と義妹は、袋に入れかけていた物をすべて戻しました。義父は「今日はもう帰るぞ」と言い、義母と義妹を連れて玄関へ向かいました。もちろん、何も持ち帰らせませんでした。
帰り際、義父は私に頭を下げました。「すまなかった」私は、やっと誰かが分かってくれた気がして、少しだけ力が抜けました。
その日の夜、夫と話し合った
義母たちが帰ったあと、しばらくして夫が口を開きました。「ごめん。君が嫌だと思っていたのに、軽く考えてた」私は、ずっと言えなかったことを伝えました。「一番つらかったのは、あなたが味方してくれなかったこと」夫は黙って聞いていました。
そして、これからはアポなしで来ないように伝えること、家の物を勝手に持ち帰るのをやめてもらうこと、子どもの物には触れないことを、夫から義母たちへ伝えることになりました。その後、義母と義妹が突然家に来ることはなくなりました。
完全に関係が元通りになったわけではありません。でも、家族だからといって、何でも許されるわけではない。私にとっては、それを夫にも分かってもらえたことが大きな変化でした。家族でも、線引きは必要。そう強く感じた出来事でした。
夫と子どもと暮らす主婦。結婚後、義母や義妹との距離感に悩むことが増え、特に「家族なんだから」という言葉で家の物を持ち帰られることに長くモヤモヤしていたそうです。
※本記事は、読者体験風のエピソードとして構成しています。登場人物や状況は、個人が特定されないよう一部調整しています。

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